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広島がん高精度放射線治療センター 広島市東区二葉の里三丁目2番2号
TEL:082-263-1330(代表)/ 082-263-1314(事務ダイヤルイン)
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医学物理臨床研修プログラム

0.目次

1 プログラム概要

  1.1 プログラムの目的

  1.2 研修体制

  1.3 研究期間と採用人数

2 研修の目標達成

  2.1 研修の基本要素

  2.2 プログラムの期間と研修内容

  2.3 研修場所

  2.4 プログラム修了要件

  2.5 研修管理

3 研修生

  3.1 研修生の人数

  3.2 採用

  3.3 研修開始時のオリエンテーション

  3.4 研修生の定期評価

  3.5 研修生の責任

4 広島がん高精度放射線治療センターについて

  4.1 運営体制

  4.2 スタッフ

  4.3 設備

付録

1.プログラム概要

1.1     プログラムの目的

 広島がん高精度放射線治療センターの医学物理臨床研修プログラム(以下、本研修プログラム)の目的は、放射線腫瘍学分野における物理学および工学の応用のための医学物理研修生の臨床トレーニングと教育です。本研修プログラムを修了した後、研修生は医学物理士認定機構(JBMP)で定めた臨床研修カリキュラムガイドラインを満たすように設計されています。

1.2     研修体制

 本研修プログラムは、広島がん高精度放射線治療センター(以下、当センター)で運営されています。本研修プログラムを修了した研修生は修了証が授与されます。この証明書は広島がん高精度放射線治療センター長名で発行されます。

 本研修プログラムは医学物理臨床研修責任者によって管理されています。現在、この職位を務めるのは、当センターの医学物理士長の小澤修一医学物理士です。また、医師1名が本研修プログラムの医学物理臨床研修担当者(医師)を務めています。この職位にあるのは、当センターの副センター長である権丈雅浩医師です。その他、本研修プログラムの医学物理臨床研修担当者(診療放射線技師)は山田聖・診療放射線技師長、医学物理臨床研修担当者(看護師)は、岩波由美子・看護師長が務めています。本研修プログラムは、現在、JBMPの臨床研修課程の認定教育コースとして認定申請中です。

 本研修プログラムの指導者には、2名の認定医学物理士の担当者(三浦英治 医学物理士、中尾稔 医学物理士)が含まれます。また、本研修プログラムは、広島大学病院放射線治療科(村上祐司 医師(教授)、河原大輔 医学物理士(講師)、中島健雄 診療放射線技師(診療支援部放射線治療部門長))によってサポートされており、本研修プログラムの審査委員会は、これらの指導者で構成され、以下の責任を負っています。

  1. 研修生の採用
  2. 年次試験と評価の試験官
  3. 研修生の研修ローテーションの指導担当
  4. 本研修プログラムの修正や更新

 本研修プログラムの担当者リストは付録1に添付されています。

1.3     研究期間と採用人数

 本研修プログラムでは、通常2年間の研修期間を原則としていますが、研修生の放射線治療における経験を勘案し、最長で3年とし、1名の研修生を受け入れています。

2.研修の目標達成

2.1     研修の基本要素

 本研修プログラムは、医学物理大学院課程または、他の物理学・工学分野の大学院修了者、かつ医学物理士認定試験合格者へ実践的な臨床経験を提供するよう設計されています。医学物理大学院の博士取得者が優先されますが、他分野からの修了生も歓迎しますが、医学物理士認定試験の合格が研修生となるための必須要件となります。

 本研修プログラムは、JBMPの臨床研修カリキュラムガイドラインに含まれる項目に従って、放射線治療における臨床研修のあらゆる内容を含むように設計されています。詳細なカリキュラムは、付録2に添付されています。

 研修では、治療計画、治療技術、機器の品質管理、放射線安全管理、低線量率小線源治療(LDR)、高線量率小線源治療(HDR)、定位放射線治療(頭部および体幹部)、その他の特殊治療についてのローテーションで構成されています。また研修生は、放射性物質の取り扱い、その他の病院での研修を修了することが求められます。

 研修生は、毎朝の朝礼の他、多職種で行う各種カンファレンスへの参加が必須です。これらのカンファレンスは治療方針、治療計画だけでなく、治療の現状に関する情報共有に焦点を当てています。また、医学物理学のトピックに関する一連の教育ミーティングがトレーニングカリキュラムの一部として組み込まれています。研修生が参加するカンファレンス等のスケジュールは付録3に添付されています。

 論文誦読会での発表準備や発表を通じて、研修生は医学物理学のガイドラインや各種文献を学び、自己学習能力を高めます。また、これらの発表を通じて貴重な教育経験も得られます。各発表では、教育担当の医学物理士が研生に割り当てられます。研修生は事前に配布資料を準備することが求められます。発表内容に関する参考文献リストも配布資料の一部とします。発表はパワーポイント等を用いて行われます。

 研修開始後、各研修生は教育担当物理士の監督の下で研究プロジェクトが割り当てられます。これらのプロジェクトは臨床に焦点を当てており、研修生が臨床スタッフと交流する機会を提供します。研修生には日本医学物理学会等での年1回以上の研究発表が推奨されます。研修生の学会発表については、臨床研修責任者の判断で、当センターの旅費の利用可能性に応じて、発表のための旅費等の支援を受けられます。発表のために他の会議への旅費については、論文の重要性とコストに応じて個別に検討されます。

2.2     プログラムの期間と研修内容

 2年間の本研修プログラムは、3ヶ月ごとの8つのローテーションに分かれています。研修生は医学物理士の様々な臨床業務をローテーションしながら学びます。各ローテーションの開始時に、教育担当物理士からローテーションの学習目標を詳述した文書が研修生に送られます。本研修のローテーション例は、この文書の付録4に添付されています。ただし、ローテーション計画は柔軟で、当センターの臨床業務の状況や研修生のバックグラウンドと進捗状況に応じて変更される場合があります。

2.3     研修場所

 研修は主に当センターで行われますが、小線源治療(LDR/HDR/IGBT)、全身照射など、当センターで実施していない研修項目については、広島大学病院放射線治療科で短期研修を行います。今後、粒子線治療に関する研修が実施できる施設での研修受け入れ交渉を進める計画です。

2.4     プログラム修了要件

 研修生は1年目終了時に、研修の理解度を試験する口頭試験を受ける必要があります。試験は、本研修の審査委員会のメンバーによって実施されます。研修生は本研修プログラムの2年目に進むためにこの試験に合格しなければなりません。試験に不合格になった研修医には3ヶ月後に再試験の機会が与えられます。試験の再不合格はプログラムの中断と終了の勧告がなされる可能性があります。

 2年間(最長3年)の研修終了時には修了試験も実施されます。修了試験は本研修プログラム審査委員会の複数のスタッフメンバーによって実施され、治療専門医学物理士試験の口頭試験を模しています。研修生は本研修プログラムを修了するためにこの試験に合格しなければなりません。この試験に不合格の場合、プログラム修了証の発行は保留されます。

 臨床研修責任者は、本研修プログラムの審査委員会のメンバーと相談の上、研修の進捗状況と研修態度、および年次口頭試験での成績を考慮し、研修医の年次評価を実施します。研修生は本研修プログラムを修了するために必要な評価を得る必要があります。この評価は年次口頭試験・評価フォーム(付録5)に記録されます。

2.5      研修管理

 臨床研修責任者は研修生の研修の管理について最終的な責任を負います。臨床研修責任者は本研修プログラムでの研修生の進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて研修スケジュールを修正する責任があります。

 治療計画/線量計測、機器QA、LDR、HDR、およびその他の特殊処置の各領域の指導担当物理士は、研修生がこれらの領域をローテーションする際の日々の業務割り当ての責任を負います。

3.研修生

3.1     研修生の人数

 常時、1名の研修生を本研修プログラムに受け入れます。

3.2     採用

 本研修プログラムへの入学は競争的であり、当センターの規定に従って実施される採用試験に基づいて決定されます。出願者は書類選考、筆記試験、および本研修プログラムの審査委員の過半数による面接試験を受けます。出願者は、学歴、コミュニケーション能力、臨床適性、臨床経験、および過去の研究成果に基づいて評価されます。本プログラムの審査委員は各出願者を採点します。合格候補者の最終選考は、この採点結果に基づいて行われます。

 JBMPの医学物理士新規認定で医学物理に関わる経験年数3年以上の者については、研修期間を3年間としますが、研修期間は最低2年間とします。

3.3     研修開始時のオリエンテーション

 研修開始時には、オリエンテーションが行われます。これは当センターの臨床スタッフによって行われます。このオリエンテーションでは、受付、クリニック、看護、治療機器、診断機器、コンピュータネットワーク、治療計画室、線量計測など、当センター内を研修生に紹介します。本研修プログラムの担当スタッフもオリエンテーションに参加します。

3.4     研修生の定期評価

 研修生が3か月ごとの研修ローテーションを受ける際、各ローテーションの担当物理士は、その期間中の研修生の研修状況を文書で評価する責任を負います。各ローテーションの終了時に、担当物理士は研修生の研修成果を評価し、該当するローテーションのトレーニングに関連した能力についての評価フォーム(付録6)に署名します。これらのフォームは本研修プログラムに参加した際に研修生に配布されます。研修生がセンター内の様々な分野をローテートする間、自分が行った、または見学した業務・活動の記録(例:付録7の週報)を記録するよう求められます。担当物理士は、その項目における研修生の能力を評価し、該当箇所に署名します。

 研修生は、半年ごとに、評価フォームを本研修プログラムの臨床研修責任者へ提出し、レビューを受けます。臨床研修責任者は、研修生の進捗に基づき、今後の研修ローテーションについての提案を行います。初年度の研修終了時には、レジデントは評価フォームに記載された多くの項目での能力を示すことが求められます。これらのフォームに記載された多くのでの能力が確認できない場合、ローテーションの再実施、プログラム期間の延長、または最終的にはプログラムからの途中終了を勧告ことがあります。

 臨床研修責任者は研修ローテーションを通じて研修生の進捗を監視します。進捗や能力が十分でない研修生に対しては、臨床研修責任者が助言、注意、または(適切な手続きを経たうえで)途中終了を勧告する責任を負います。

 研修生は、毎週報告書に活動内容を記録し、自身が行った、見学した、または参加した業務やカンファレンス等をリストアップします。研修生の週報フォームのコピーは付録7として添付されています。この報告書は臨床研修責任者により確認され、研修生と話し合われます。

3.5     研修生の責任

 研修生は、当センターの職員就業規定に従い、本書の要件を含む、当センターの方針と業務を熟知し、それらを遵守する責任があります

4.広島がん高精度放射線治療センターについて

4.1     運営体制

4.2     スタッフ

4.3     設備

付録

付録1医学物理臨床研修プログラム担当者リスト
付録2本研修プログラムのカリキュラム
付録3カンファレンス等のスケジュール
付録4研修ローテーション例
付録5年次口頭試験・評価フォーム
付録6研修生評価フォーム例
付録7医学物理レジデント週間活動報告フォーム